日曜日、本八戸駅から徒歩数分の静かな空間に鎮座している「おがみ神社」へ行ってきました。目的は、
おがみ神社神楽祭(かぐらさい)。
神楽とは、文字通り神様を楽しませるためのもの。
「音小さめで」「動き少なめで」「ゆっくり動いてて」なんてイメージが頭にありましたが、全然違う。全然違うんですよ、みなさん。舞台となる神楽殿(かぐらでん)は、終始心地良い熱気に包まれていました。
↑【山ノ神舞(やまのかみまい)】 力強い舞で圧倒的な存在感!
↑【盆舞(ぼんまい)】 盆を落とさずに舞い続ける。見ていると簡単だけど、到底無理。練習の賜物。
↑【翁舞(おきなまい)】 おじいさんを演じ、腰を落としたまま舞い続ける大変ハードな演目。滑稽な動きが楽しい。
太鼓と手平鉦(てびらがね
※)の
リズムが躍動し、そこに
笛の澄んだ音色が重なる。時々入る
太い掛け声が、舞っている神楽士のエネルギーにぶつかる!
驚きました。こんなにライヴ感があるなんて。
※手平鉦は、小さなシンバルのような楽器
おがみ神社の神楽は、権現様(ごんげんさま)をかぶった数人の神楽士(かぐらし)が「一斉歯打ち(いっせいはうち)」という一斉に権現様の歯をリズミカルに打ち鳴らす権現舞(ごんげんまい)が中心演目とされています。
↑【一斉歯打ち(いっせいはうち】 力強いリズムが空に響き、今年の神楽祭は幕を閉じました。会場にいた人は頭を噛んでもらうことも出来、満足そうに帰路についていました。
古事記では、太陽神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)がスサノオノミコトの乱暴狼藉に怒って天岩戸に隠れてしまい、世の中が真っ暗になる。神々による会議の末、アメノウズメが天岩戸の前で舞を披露する。
(中略)周囲で見ていた八百万の神々が大笑い。それが気になった天照大御神が顔を出す。チャンス!アメノタヂカラオが引き出して、天照大御神は外へ。再び世界に光が戻って、めでたしめでたし。そんな神楽の起源。
アメノウズメは日本最古の神楽士であり、最古のダンサーといったところでしょうか。
時は経ち、21世紀。
神楽という普段馴染みのないイベントですが、現代の神楽士の皆様が、時に力強く、時に滑稽に、時に可愛らしく、様々な舞を披露してくれます。不謹慎かもしれませんが、
思わず
「ブラボー♪」って叫びそうになる、そんな新しい体験でした。
いにしえのライヴ、神楽。
本当に素晴らしい◎
神話の世界を思い、神楽士の音色と舞に身を任せるなんて、
かなり贅沢な時間ですよね。
↑【鶏舞(とりまい)】 当日終盤、男性と中学生の女の子が魅せてくれました。
ブラボーォ♪
日本一の山車(だし)祭りとして有名な八戸三社大祭(はちのへ さんしゃたいさい)も神楽を見るチャンスです。神楽は、8月1日と3日の2日間で見ることができます。三社大祭は8月1日~3日で開催され、7/31は前夜祭、8/4は後夜祭。
是非ぜひ八戸へ、おんでやぁんせ☆
by ヨウヘイ
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おがみ神社 ※正式表記は、龗神社(雨冠の下に口を3つ、脚に龍)
青森県八戸市内丸2丁目1-51
おがみ神社は、旧八戸藩の総鎮守であり、八戸三社大祭(重要無形民俗文化財)発祥の神社。鎌倉時代末期の1325年には、すでに神職7代目であったという記録から、神社の歴史は平安時代末まで遡ると考えられている。
義経が平泉を脱出して八戸に数年いたという伝説が残っているが、奥方「北の方」が八戸で病死して祀られたのがおがみ神社と言われている(北の方の愛用品である手鏡を所蔵)。