完ツユすることについて語るときに僕の語ること
【用語の意味とお詫び】
※完ツユ ⇒ ラーメンのツユを完全に飲み干すこと。
※サブタイトル ⇒ 村上春樹の著書からパクリました(笑)
このブログで数々の磯ラーメンを紹介してきました。その数々の磯ラーメンは全て完ツユ。「完磯完汁」という四字熟語があったら面白いですよね(笑)
まぁ、私の場合は「無芸大食」なんでしょうけど・・・(磯ラーメンの場合は、「医食同源」かも。)
なぜ完ツユするのか。その理由を私の磯ラーメンの食べ方を紹介しながらお伝えしたいと思います。磯ラーメンはこのブログの磯ラーメンシリーズ第1回目に登場した
波光食堂のものです。
最初はまず、磯ラーメンをよく見ます。
丼の全容を、磯ラーメンの湯気を吸い込みながら、しみじみ鑑賞します。
日本の湖でもっとも透明度の高い摩周湖にも匹敵する透き通ったスープの表面を。
この透き通ったスープにぬれて光るエビとカニ、はやくも黒々と湿りはじめたワカメ、浮きつ沈みつしているホッキ貝とホタテ。
そしてなによりも、これらの具の主役でありながら、ひっそりとひかえめに?その身を沈めている中央のムシウニ。
まず、レンゲでスープをすくい上げ口に移します。レンゲの底でスープの表面をならすというか、なでるというか、そういう動作をしながら静かにです。
これはどういう意味かというと、スープに対する愛情の表現です。
次はムシウニです。
「もうムシウニかよ!」という声が聞こえてきそうですが、これは主役に対して敬意を表しての当然の順番といってもいいでしょう。
この時、ムシウニをいとおしむように触り、おもむろにほんの僅かな量をつまみ上げます。そしてこれが大切なのですが、レンゲの先をウニの生まれ故郷である種差海岸に向けて、心の中で詫びるがごとくつぶやきます。「海の恵み、いただきます」と。
(続く)
by kazuya