川で人やお馬のお尻を狙うようになったメドツ(河童)。
お腹が空くと川に来た人や馬を川の中に引っ張り込んで、悪さをしていたそうです。
そりゃそうですよね。
前回の記事で紹介したとおり、”柱に間違って穴をあけてしまったから”という理由で、
しかも、「ケツを食え~!」なんて捨て台詞を言われちゃうと、
人に悪さをしたくなるメドツの気持ちもわかります。
そんなメドツの気持ちを汲んでも目にあまったのでしょう。
人々はほとほと困り果てて、櫛引八幡宮の八幡様にお願いをしたそうです。
「あの悪さをはたらくメドツをなんとかしてください!」と。
そこで、八幡様は使いの鷹を飛ばし、いやがるメドツを連れてきたそうです。
八幡様はメドツに、人々を困らせるようなことはやめなさい!と叱ったのですが、
メドツは強情をはり、八幡様の命令を聞かなかったそうです。
そのとき、八幡様の使いの鷹がメドツに飛びかかり、
鋭いクチバシで頭を攻撃し、メドツはついに降参してしまったそうです。
そこで、八幡様はメドツの頭の傷に薬をつけてやりながら、申し上げたそうです。
「お前を、ここにつないでおくことにする。ただし、7月7日から10日間だけ、
川に放してやる。その時は存分に暴れるがよい」と。
7月7日から10日間、人々は川に行くときは
メドツに用心することとなったため、悪さをされることはなくなったそうです。
また、メドツの頭に毛がないのは、八幡様の鷹に突っつかれたからそうです。
この物語を示した彫刻が、
櫛引八幡宮本殿に向かって左側の脇障子にあるのを御存じでしたか?
もっと、わかりやすい写真は拝殿の側に表示されていますので、
こちらもよいでしょう。
本殿は1648年(慶安元年)に竣工したものということですから、
1637年は島原の乱、1639年はポルトガル商船の来航を禁止した時代に、
ここ八戸の地に立派な本殿があったというのは驚きですよね。
この彫刻は少し風化しておりますが、
ちょうど、八幡様の使いの鷹がメドツが勝手に暴れないように、
押さえつけられている素晴らしい彫刻がご覧いただけます。
櫛引八幡宮にお越しの際は、拝殿から本殿を1週ぐるりとまわってみては
いかがでしょうか?
ほかにも気づくことがたくさんあるかもしれませんよ。
by TOSHIYA
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櫛引八幡宮>
◆住所:青森県八戸市八幡字八幡丁3
◆電話:0178-27-3053